株式会社いい生活　新卒会社説明会（21卒向け）

代表取締役挨拶・今回のセミナーの概略

みなさん、こんにちは！
株式会社いい生活の塩川です。
私はいい生活の創業メンバーで、現在代表取締役CFOという仕事をしています。
今日は就活に臨むみなさんに、これからのキャリアを考えるきっかけとなるようなお話をしたいと思います。

いい生活では、ビジネス系の職種とエンジニア、それぞれ職種別の採用をしていますが、今日は主にビジネス系職種を念頭においてお話していきます（エンジニア向け説明会を別途開催しています）。

概略を言うと、
「IT企業で仕事をするとはどういうことか？」
「我々がなぜこのビジネスを始めたのか？」
「我々は何を目指しているのか？」
「ベンチャー企業で仕事をする上で、何が重要で、どんなことが得られるのか？」
をみなさんにお伝えしたいと思います。

人生 100 年時代のキャリア構築

人生 100 年時代と言われ、これから社会に出るみなさんは、年金支給年齢に達する 70 代半ばまで仕事を続け、所得を得続けるという人生設計が必要です。それを可能にするのは、１社で完結するキャリアではなく、70 歳を過ぎても必要とされる実力をつけ、世の中や社会、技術の変化に対応していくキャリアなのではないか、と思います。

変化に対応する柔軟なキャリアを構築するためには、変化が起こる場面に居合わせるか、変化が良く見える場所に立っている必要があります。それに最適な場所が「IT」なのだと思います。これから間違いなく世の中を大きく変えていくIT、これをキャリアの軸とすることが、これからの時代のキャリア構築のオプションを確実に拡げてくれます。

ＩＴ企業で仕事をするということ

 特に文系で非エンジニアの方にとって、IT企業での仕事のイメージは描きにくいかもしれません。ぜひこの機会にIT領域でのキャリア機会を知ってもらって、これから世の中を大きく変えていくITというフィールドをキャリア選びの選択肢に入れて欲しいと思います。

IT 領域で仕事をすることを端的に表現すると、

「これからの世の中を変化させる側に立つか、変化を受ける側に立つか」という

違いだと言えます。「起きる変化に抵抗する」側に回るより、「変化を起こす」側に回る方が、成長し続ける領域にポジショニングが出来て、仕事としても面白く、キャリアの選択肢も拡げていくことが出来ます。

例えば、自動車という業界をとってみても、これから皆さんご存知のように自動運転技術によって在り方が大きく変わろうとしています。所有から利用へ、モビリティサービスへと変化する中で、自動車業界の中だけではなく、自動車保険のウェイトが高い損害保険会社やタクシー業界にも影響を与え始めています。これらはすべて IT が世の中にもたらしている変化であり、インパクトです。

また金融も大きな変化を受けています。現金の流通を前提とした今の金融機関の在り方は、電子マネーやフィンテックの流れによって、大きく影響を受け始めています。フィンテックそのものは、今の銀行をはじめとする金融機関の業務をバラバラにした方が、より高い付加価値をユーザーに提供できる、という考え方ですが、電子マネー、仮想通貨、暗号通貨等、既存の金融業を大きく変える可能性を秘めています。

今まで主流だった文系の就職先イメージ、つまり、商社、金融、コンサル、メーカー、マスコミや小売り・サービス系という主要分野に、是非 IT領域を加えてみて下さい。その上で最初のキャリア選択をすることをお勧めします。

IT業界というと「SE になるの？」というイメージを持つ人もいるかもしれません。最近のIT 、中でも SaaS 系企業は同様と思いますが、当社は採用の段階で職種別の採用をしており、エンジニアはエンジニアに特化した採用を行っています。なのでIT企業のビジネス系職種では、SEになるのではなく、サービスを考える、サービスを世の中に広めるという活動を担うと考えて下さい。その領域では多くの文系出身者が活躍しています。

また、ITサービスは無形商材になるので、見て、触って判断するのではなく、「それを使うとどのような付加価値が得られるのか？」という「付加価値の伝達」が不可欠な商材です。マーケター、セールスとしては、消費材等と比較して難易度は上がるかも知れませんが、人が介在する意義が大きい領域でもあり、スキルと経験を積み上げて差別化していくことで「置き換えられにくい」キャリア
を構築する機会も大きいと言えるでしょう。

繰り返しですが、「よくわからない」という理由だけで IT領域を選択肢に入れないのはこれからのITの可能性を考えると大変もったいないと思います。

ＩＴ業界の構造

 次に、業界研究を兼ねて日本の IT 業界の簡単な構造をお話ししたいと思います。

IT 業界は大きく分けて、

（１）大規模なシステムを特定の顧客向けに開発・納品するシステムインテグレーター

（２）特定の用途（会計、人事等）に対応したパッケージソフトを売る会社

（３）受託系の開発を行う会社（含む大手システムインテグレーターの下請け、システムエンジニアリングサービス会社）

（４）クラウド・SaaS というソフトウェアをサービスとして提供する会社

からなっています。

今世の中の潮流は（４）のクラウド・SaaSが主流になりつつあります。みなさんが普段スマホで使うアプリや、Gmail、Twitter 等のコミュニケーションツール、SNSもほとんどクラウドがベースとなっています。ソフトウェアを買って所有し、そのまま使い続けるものから、所有せず、常に進化するサービスとして利用し、利用した期間に応じて料金を払う継続課金モデル（サブスクリプション）
です。

（１）（２）（３）は、形態は異なりますが、特定の顧客向けの開発を受託する、という意味では共通しています。つまりある開発の対象顧客は特定の１社であり、その１社のために仕事をしてその１社から料金をもらう、という形です。 

いずれにしても（１）（２）（３）は、顧客向けにカスタマイズする、初期投資がかかる、サーバ等ユーザー側で利用環境の準備が必要等の共通点があり、ある程度の人員規模の会社向けのサービス、と言うことが出来ます。

（４）のクラウド・SaaS は、特定の分野に特化していることが多く、顧客毎にカスタマイズするのではなく、標準機能を全てのユーザー共通でお使いいただき（シングルソース・マルチテナント）、お客様の仕事の進め方をサービスの仕様に合わせていただきます。サーバ等の初期投資が不要で、気軽に始められるという特徴があります。なので個人や中小規模の法人に向いているスタイルです。もちろん大手企業も分野によっては使っていますし、十分に利用可能です。

提供する側としては、永くご利用いただくことが利益になるため、契約・導入しておしまい、ではなく、お客様の成功に向けて伴走する（カスタマーサクセス）、という関係構築が重要になります。

クラウド・SaaS はさらに、法人向けのサービス（B2B）、コンシューマ向けのサービスに分けることが出来ます。コンシューマ向けは、広告宣伝に基づくマーケティング、法人向けは提案型営業にウェイトを置いている、と考えればよいでしょう。求められる仕事の仕方も当然異なり、コンシューマ向けはサービスを開発するエンジニア中心、法人向けはより提案営業のスキルが重要になってきます。クラウド・SaaSという無形商材におけるB2Bセールスの意義とキャリア上の優位性は前にお話ししたとおりです。